2020.08.26
基礎知識
オリジナルブルゾンに使いたい素材と生地の特徴
オリジナルブルゾンには数多くの種類があり、色々な素材や生地が使用されています。
室内用か防寒用かといった用途や予算に合わせ、最適な素材や生地を選ぶことがイメージ通りのブルゾンを
作るコツです。今回は、オリジナルブルゾンによく使用される素材の特徴、ブルゾンのタイプ別に最適な
生地についてご紹介していきます。
1.そもそもブルゾンって何?
ブルゾンはフランス語で「裾を絞ったブラウス」といった意味で、丈はウエストまたは腰までと短く、
ゆったりとした作りになっているのが特徴的です。
ジャンパーと同じアウターとして使用されますが、ジャンパーは冬の防寒用に着る人が多いですが、
ブルゾンはデザイン性が高いためファッションアイテムとして認識する人も少なくありません。
ただ、両者には明確な違いはなく、オリジナルブルゾン製作会社はジャンパーやウィンドブレーカー、
ファッション性の高いスタジャンなどをひとまとめにして「ブルゾン」と呼んでいるケースが多いです。
今回は、オリジナルブルゾン製作で作れるアウター全般を対象に主要な生地・素材を紹介したうえで、
タイプごとに適した生地を解説していきます。
2.オリジナルブルゾンの生地に使われる素材ごとの特性
生地はさまざまな素材を織って作られており、素材によって生地の特徴が決まります。詳しく見ていきましょう。
ナイロン
ナイロンは石油を原料としている化学合成繊維です。簡単には破けず、摩擦を起こしてもほとんど傷まない
耐久性の高さと軽さを兼ね揃えているため、長期的な使用を想定したイベントブルゾンなどに適した素材と
いえます。また、吸湿性が低く水分を弾く性質があるため、ウィンドブレーカーとしても活用できます。
ただし、夏などの気温が高い季節に使用すると衣服の中が蒸れてしまうため注意しましょう。
ポリエステル
ポリエステルはナイロンと似た特徴を持つ、化学繊維です。化学繊維の中では世界で最も生産量が
多いため、安価に調達でき、コストを抑えたオリジナルブルゾン製作に最適です。
加えて、軽さ、伸縮性、強度の高さが特徴的で、シワになりにくく劣化しにくいため扱いやすい
素材でもあります。
一方で、静電気が発生しやすいため冬などの乾燥する時期の着用には注意が必要です。
綿
天然繊維である綿は、化学合成繊維であるナイロンやポリエステルとは異なり、通気性・吸水性が高く
柔らかな手触りが特徴です。着心地が好きという方も多いでしょう。
ただし、洗濯をすると縮みやすく、毛羽立ちが目立ってしまうため、お手入れしながら繰り返し使用したい場合には不向きかもしれません。
革
MA-1などでよく見られるのが、動物の皮から作られた革素材です。手触りが良く、革ごとに個性があり、
上品で気品が感じられるのが特徴です。また、熱に強く長持ちするため、
着用し続けることで経年変化を楽しめます。
その一方で、水分や温度変化に弱いためメンテナンスが必要であり、大量生産できないことから値段は高額です。
3.ブルゾンのタイプ別に最適な生地を知ろう
生地の素材について触れたうえで、ブルゾンのタイプ別に最適な生地について解説していきます。
イベントブルゾン
イベントブルゾンには、耐久性が高く長期間でも着用できるナイロン素材がおすすめです。
その中でも適度な光沢とハリがあり、ドレスやブラウスなどにも使われるタフタ生地が良いでしょう。
ナイロン素材は低価格で調達でき、プリント加工との相性が良いため、スタッフジャンパーとして大量注文するときにも向いています。
スタジアムジャンパー
スタジアムジャンパーは、野球選手が練習用の防寒着として使用していたもので、カジュアルな雰囲気が
あり、首元や裾、袖に2本のリブが入っているのが特徴です。
そんなスタジアムジャンパーには、サテン生地をおすすめします。サテン生地は、滑らかで上品な光沢感が
あるため、プリント加工ではなく刺繍デザインをいれることで素材感が引き立ち、高級感のある素敵な印象を与えます。
サテンは合成繊維、天然繊維どちらの素材でも作れるため、コスト調整がしやすいのも嬉しいポイントでしょう。
フリースジャケット
防寒用アウターとして人気のフリースジャケットは、その名の通りフリース生地が使用されています。
フリース生地とは、石油を原料とするPET(ポリエチレンテレフタラート)から作られた起毛素材を織ったものです。
フリース生地は、体から出る熱を留め、外からの冷たい空気を遮断してくれるなど保湿性が高く、
軽いのが特徴です。肌触りが柔らかいため肌が弱い人でも安心して使えます。
春や秋など季節の変わり目に着用するユニフォームの裏地にフリース生地を選んでも、暖かく過ごせるでしょう。
防寒ブルゾン
冬に着用する防寒ブルゾンには耐久性があり、型崩れしにくいポリエステル素材の生地が良いでしょう。
化学合成繊維であるポリエステルは、保温性に関してはウールやカシミヤなどの天然繊維より劣りますが、
ポリエステルから作られる生地は軽いため、長時間の着用でもあまり負担になりません。
また、室内と外で着脱する機会が多くても、耐久性があるためシワが付きにくく型崩れしないことから防寒ブルゾンに適しています。
4.まとめ
ブルゾンはデザイン性が高く、ファッションアイテムのひとつとして着る人が多いものの明確な基準はありません。
そのため、オリジナルブルゾンが指すアウターには、ジャンパーやウィンドブレーカー、ファッション性の高いスタジャンなど、様々な上着が含まれます。
オリジナルブルゾンは、生地に使用する素材によって、吸湿性、耐久性、肌触りなどの特性が異なります。また、ブルゾンのタイプごとに最適な生地が異なるため、製作するタイプに合わせて適した生地を選択しましょう。
関連記事
-
この記事が気に入ったら
いいねしよう!最新記事をお届けします。