2022.02.01

基礎知識

法被の着方を詳しく解説!守るべきルールと小物についても紹介します

法被の着方を詳しく解説!守るべきルールと小物についても紹介します

法被の着方にはルールがあります。守るべき決まりについて男女別に詳しく解説するので、参考にしてくだ
さい。また、法被に合わせたい帯や足袋、草履などの小物や、コーディネートのヒントについても見て
いきましょう。

【法被の着方】基本ルール

お祭りやイベントなど、さまざまな場所で法被を着る機会があるかもしれません。気軽にさっと羽織れる
法被ですが、実は着方にはルールがあります。少なくとも守るべき基本ルールとしては、次の3つが
挙げられるでしょう。

  • 性別、年齢に関わらず右前に合わせる
  • 腰骨あたりに帯を巻く
  • 身ごろの前後にゆとりを作って完成

それぞれのルールについて、詳しく解説します。

性別、年齢に関わらず右前に合わせる

法被は性別年齢関わらず着ることができる衣類です。着方も性別年齢関わらず同じで、右前(みぎまえ)
に合わせます。
まずは法被の袖に腕を通し、背筋を合わせて左右のバランスが等しくなるように着用しましょう。
最初に右身ごろを体に合わせ、その上に左身ごろを重ねます。このように右身ごろが内側、左身ごろが
外側になる着方が右前です。

右前の「前」とは時間的に前のこと

右前とは、右身ごろを内側、左身ごろを外側に重ねる着方です。左身ごろのほうが前(上)にあるのに、
なぜ右前というのか疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、右前の「前」とは位置が前という意味ではなく、時間的に前であることを指しています。
つまり、右のほうが時間的に前に合わせるので、右前と呼んできました。
なお、左前とは、左身ごろを時間的に前に合わせる着方です。これは死装束なので、生きている間には着用しません。

腰骨あたりに帯を巻く

右前に身ごろを合わせたら、帯を巻きます。法被を着るときは、帯は腰骨あたりに巻くことが一般的です。
着物や浴衣を着るときは女性は帯を胸下辺りに巻きますが、法被は性別や年齢に関わらず腰骨のあたりに
巻きましょう。
なお、着物では帯の結び目は後ろに作りますが、法被は前でも後ろでもどちらでも構いません。
結び目を前にするときは、真ん中ではなく少し脇にずらすと粋な印象に仕上がります。

身ごろの前後にゆとりを作って完成

法被は、お祭りやイベントなどの活発に動くときに着る簡単な着物です。きっちりと着つけても動けば
緩んでしまうので、最初からゆとりを作っておくと着崩れしにくくなるでしょう。
帯を結んだ後に、身ごろの前後を少し上に引っ張り、ゆとりを作ります。引っ張りすぎるとだらしない
印象になるので、適度に襟や身ごろを引き出しておきましょう。

【法被の着方】応用編

法被の基本の着方をマスターしたら、次は応用編に進みましょう。応用編では次の3つのルールを
紹介します。

  • 手ぬぐいがあれば鉢巻きに使用する
  • インナーとボトムは露出を抑える
  • 草履や地下足袋でこなれた印象に

それぞれのルールにおいて何を注意すべきか具体的に解説するので、ぜひ参考にして、粋に法被を着こなしてください。

手ぬぐいがあれば鉢巻に使用する

手ぬぐいが1枚あれば鉢巻にしてみましょう。まずは基本の巻き方を紹介します。
細長くなるように6等分に折り、両端を持って中央部分を額に当てて、後頭部で交差させて内側に折り込み
ましょう。角のように2本の端が前に来るように調整すれば「くわがた」と呼ばれる巻き方の完成です。
女性は角が立たないように折り込むほうが良いとされています。
また、手ぬぐいで頭全体を包むのもお洒落です。手ぬぐいを広げて頭の上に乗せ、前のふちが額に
かかる程度に調整します。両端をくるくると前巻きにねじり、しっかりと頭を包めたら両端を後ろで結び、
端が見えないように内側に折り込めば完成です。
鉢巻きにするときとは異なり、頭全体を包むと手ぬぐいの柄がくっきりと見えます。
ちょっと変わった手ぬぐいをしているときなどにおすすめの使い方です。

インナーとボトムは露出を抑える

法被の内側に着るインナーは、鯉口シャツと腹掛けが一般的です。カジュアルにTシャツやタンクトップ、
キャミソールを合わせることもありますが、お祭りで着用するときは神事であることを意識し、
露出を抑えるようにしましょう。Tシャツを着る場合であれば、しっかりと首元が詰まったものなどを
選びます。
また、法被の下のボトムは、股引やダボパンツが一般的です。特に指定されていないときは、
ジーンズやスウェットなどのカジュアルウェアで問題ありません。インナーと同様、神事であることを
意識して、露出を抑えるようにしましょう。
ただし、お祭りによっては、さらしだけ、腹掛けだけのように露出が高めのインナーやボトム
指定されることがあります。その場にふさわしい着こなしができるよう、不安なときは主催者などに
相談するようにしましょう。

草履や地下足袋でこなれた印象に

お祭りで法被を着るときは、草履や地下足袋がこなれた印象になります。お神輿などを担ぐときであれば、
地下足袋なら脱げないので歩き回っても安心です。
お祭りによっては、足袋と雪駄を合わせることもあります。白足袋が指定されていないときは、黒や
紺色などのものや柄物を合わせるのもお洒落です。ただし、神事なのであまりにもふざけたような印象の
ものは避けるほうが良いかもしれません。不安なときはお祭りの関係者や参加したことがある方に尋ねて
みましょう。
また、草履や雪駄を履くときは、慣れていないと足の親指と人差し指の間が擦れて痛くなることが
あります。何回か事前に履いて慣れておくと、本番に痛みを感じにくくなるでしょう。

まとめ

 

法被を着るときは、基本の着方をマスターすることで粋でお洒落に着こなすことができます。
また、時間が経っても着崩れしにくくなるので、だらしない印象になりません。
基本の着方をマスターしたら、手ぬぐいやインナー、ボトム、履物などにも注目しましょう。
法被は簡単に着られるシンプルさが特徴ですが、手ぬぐいなどの小物を合わせることで印象が大きく
変わります。手ぬぐいの巻き方や帯の巻き方、足袋の色などをアレンジして、その場にふさわしい基本形を
押さえつつ、個性も演出してみましょう。