2022.03.15

基礎知識

長半纏(ながばんてん)とは?長半纏以外の種類や着こなし方をご紹介

長半纏(ながばんてん)とは?長半纏以外の種類や着こなし方をご紹介

一般的な半纏より丈が長い長半纏(ながばんてん)。祭りでもよく使用される衣装ですが、長半纏を
知らない方もいるでしょう。今回は、長半纏の概要をご紹介します。
長半纏以外の種類や正しい着こなし方もご紹介するため、参考にしてください。

長半纏(ながばんてん)とは

 

ひざ丈まで長さがあるのが長半纏です。江戸時代の末期に市民の間で広がり、大工の棟梁や町火消し、
網元などが普段着として着用していました。威厳を感じさせる大工の棟梁が着用していたことから、
祭りを仕切る年配者や応援団員に好まれています。
また、近年はよさこい祭りやダンスイベントでも着用されることが多くなっているようです。
大きく動くたびに裾が舞い、迫力のある表現を実現できることから長半纏を選ぶ方も多くいます。
ただし、長半纏といってもさまざまな種類があるため、状況に応じて自分に適した長半纏を選びましょう。

長半纏以外の種類はあるの?

江戸時代に誕生した長半纏ですが、時代の流れとともにさまざまな種類が生まれています。
それぞれ特徴も異なるため、状況に応じて適したものを選ぶことが大切です。ここで紹介する長半纏以外の
種類には、次のようなものがあります。

  • 祭り半纏
  • 消防半纏
  • 綿入れ半纏

それぞれの特徴を確認していきましょう。

祭り半纏

その名の通り、祭りやイベントで着用されるのが祭り半纏です。もっとも着用される機会が多い半纏で、
多くの人に親しまれています。お尻が隠れる程度の長さで動きやすいため、お祭りで御輿を担ぐ人にも
ぴったりです。
取り外し可能な飾り袖で仕立てれば、機敏性を向上させて太鼓を叩くときにも邪魔になりません。
動きやすさを重視したいなら祭り半纏を選びましょう。また、祭りやイベントに参加する機会が多いなら、
祭り半纏を1着持っておくと重宝するはずです。

消防半纏

江戸時代で消防活動を行う際、それぞれの消防団を区別するために着用していたのが消防半纏です。
従来は消防団が半纏を着るのが一般的でしたが、近年は消防活動で着用することはなくなりました。
しかし、消防イベントや出初式などでは、半纏を着用することがあります。
衿部分には、消防団名や個人名を入れられるのが特徴です。差し替え可能な衿を選べば、役職や氏名が
変わっても長い間使い続けられます。生地も豊富に展開されているため、厚手のものを選べば防寒としての
対策もばっちりでしょう。

綿入れ半纏

通常、半纏は祭りやイベントなどさまざまな場面で着用されています。
しかし、一般的に「半纏(ばんてん)」と聞いたとき、衣類に綿が詰められた綿入れ半纏をイメージ
する方も多いでしょう。
綿入れ半纏は中に綿が入っているため、布団のような保温性があり室内用の防寒着として人気が
あります。
今でも愛用される綿入れ半纏は、江戸時代後期から庶民の日常着として愛用されてきました。
近年は、デザイン性の高い綿入れ半纏も販売されているため、おしゃれに着こなす人も多くなっています。

長半纏の正しい着こなし方

一般的な半纏より身丈が長い長半纏を、どのように着こなせばいいか迷う方もいるでしょう。
厳格な祭りに参加する場合、原則として長半纏を着用するときは、肌の露出を抑えなければいけません。
基本的なマナーを押さえて法被を着る必要があります。
長半纏は羽織るだけと考えられがちですが、インナーやボトムスなどの着こなし方によって印象が大きく
変わるものです。また、帯やハチマキ、足袋などの小物によっても印象は変わります。ここでは、
長半纏の正しい着こなし方を確認していきましょう。

インナー

地域によって違いはありますが、厳格な祭りやイベントに参加する場合はインナーに鯉口シャツや
ダボシャツを合わせるのが基本です。
しかし、カジュアルな祭りやイベントに参加する場合は、動きやすさや快適性を重視したTシャツや
タンクトップなどを合わせても問題ありません。
カラーも白だけでなく鮮やかな赤や黄色などを差し色として合わせれば、おしゃれな着こなしを
楽しめます。参加者全員で色味を合わせて統一感を出すのもいいでしょう。

ボトム

地域によって違いはありますが、厳格な祭りやイベントに参加する場合には、ボトムスに股引や半股引き、
ダボパンツを合わせるのが基本です。
しかし、カジュアルな祭りやイベントに参加する場合は、デニムやスウェット、チノパンなど、
動きやすさを重視したボトムスを合わせても問題ありません。
町内や団体は統一感を持たせるために、ボトムスが指定されている場合もあります。このような場合は、
町内や団体の指定に従ってボトムスを用意する方が無難です。特に指定がない場合は、自由にアレンジして
法被スタイルを楽しみましょう。

小物類

インナーやボトムスを決めたら、次は小物を合わせてみましょう。小物は合わせ方次第で印象が
大きく変わるため、どのようなアイテムがあるのか知りたい方も多いでしょう。
まず、長半纏に合わせる小物で押さえておきたいのが帯です。本来、帯を締めるのは半纏がはだけるの
を防ぐ役割があります。激しく動くときは、帯を締めておくと祭りやイベントに集中できるのでおすすめです。
また、帯はベーシックなカラーから鮮やかなものまでバリエーション豊かに揃っているので、
長半纏の着こなしを思う存分楽しめるでしょう。
そして、頭に巻くハチマキも長半纏に合わせる小物としておすすめのアイテムです。ハチマキを巻くだけで
一気にお祭り感が出るので、粋な着こなしが完成します。
町内や団体から手ぬぐいを配られているなら、それをハチマキとして使うのもいいでしょう。
帯と同じくハチマキもバリエーション豊かに展開されているため、帯と合わせて着こなしを
考えてみましょう。

 

まとめ

ひざ丈まで長さがある長半纏は、祭りやイベントなどあらゆる場面で着用されています。
江戸時代に誕生した長半纏ですが、時代の流れとともにさまざまな種類が登場しているため、状況に
応じて自分に適したものを選べるのも魅力です。
また、インナーやボトムス、小物の合わせ方次第で印象も変わります。厳格な祭りやイベントでは
基本的なマナーを守る必要がありますが、カジュアルな催しものであれば自由に合わせられることも
多いでしょう。
ぜひ長半纏で、自分らしい着こなしを楽しんでみてはいかがでしょうか。