2022.03.08

基礎知識

法被(はっぴ)の意味とは?法被の由来や歴史について解説

法被(はっぴ)の意味とは?法被の由来や歴史について解説

祭りや文化祭で着用される伝統的な衣装といえば、法被(はっぴ)です。しかし、法被(はっぴ)の
正しい意味や歴史を知らない方も多いでしょう。そこで今回は、法被(はっぴ)の意味や由来、歴史に
ついてご紹介します。

法被(はっぴ)の意味

法被は江戸時代に誕生した正装でしたが、現代は祭りやイベントなどの行事で着用されています。
祭りやイベント以外では、学園祭や文化祭、家電量販店や消防団員の制服として着られることも多いようです。
胸紐のない羽織で、シンプルなデザインが特徴です。法被にはお尻まで隠れる短い法被と、ひざ丈まで
ある長法被があります。

法被(はっぴ)の由来

 

平安時代以降に身分が高い皇族や武家の正装とされていた束帯(そくたい)の下に着る下着が、法被の名前
の由来です。
もともとは「はんぴ」と発音されていましたが、時代とともに発音も変化し、現代では「はっぴ」と
呼ばれています。
一方、法被の漢字は、禅寺の高僧が座る椅子の背もたれに掛ける布の
法被「はふひ(ほうひ)」が由来です。
ただ、布の法被と衣類の法被はまったく関係ないことから、法被の漢字は当て字ともいわれています。

法被(はっぴ)の歴史  

 

法被の歴史は、江戸時代後期までさかのぼります。法被の始まりから現代に至るまで、その歴史を確認していきましょう。

法被の始まりは江戸時代に遡る

江戸時代初期に武家が自分の家紋を染め抜いて着始めたものが、法被の始まりといわれています。
現代の法被は紐が付いていませんが、従来は胸紐付き単(ひとえ)に衿を折り返して羽織のように着用
されていました。
一般庶民の間でも関心が高まっていましたが、身分の差を明確にするため、一般庶民の法被の着用を
禁止する禁止令が出されています。

江戸末期に庶民の間で流行する

一般庶民の間でも法被への関心が高まっていましたが、法被着用の禁止令が出されたため、法被を
着用していたのは身分が高い人だけでした。しかし、江戸時代末期になると、衿を折り返さずに着用する
法被が一般庶民の間で広まったのです。
通常、法被は衿を折り返して着用するものだったため、法の網をくぐる形で普及しました。

まとめ

江戸時代に生まれた法被は、身分が高い武家などの正装として着用されていた羽織です。
当時は胸紐付きでしたが、現代の法被の紐はありません。
禁止令のため一時期、一般庶民の間で着られませんでしたが、江戸時代末期には衿を折り返さない新しい
着方で一般庶民の間でも法被が普及しています。現代では厳かな祭りだけでなく、学園祭や文化祭、
家電量販店などさまざまな場面で着用されているのです。