2020.12.31
基礎知識
自分でできる!はっぴのカンタンな修理方法を紹介
町内会や会社などで何年にもわたって着用されるはっぴは、洗濯や着用を重ねる度に、ほつれが出たり
破れたりと少しずつ傷みが出てきてしまいますよね。
愛着があるはっぴを手放したくないという人も多いかと思いますが、はっぴは薄手の布地で作られていて、
作りが複雑ではないため、自分でも簡単に修理できます。
今回は、はっぴの修理方法を、衿・袖・裾などの部分別にご紹介します。かぎ裂きができた場合の手直し
方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。
1.衿の修理方法
はっぴの衿、とりわけ首の後に当たる部分は力がかかりやすく、折山が擦り切れてくる、縫い目が破れて
くるといったケースがよく見られます。
衿がほつれたり裂けてきたりした場合は、次の3つの方法で修理できます。
- コの字とじ
- 当て布を取り付ける
- 衿替えをする
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
方法①.コの字とじ
ごく狭い範囲のほつれや裂けの場合は、「コの字とじ」がおすすめです。その名前が示すように
カタカナの「コ」の字を書くように糸を通していく縫い方で、折山がピッタリと密着するような縫い上がり
となり、縫い目があまり目立ちません。
比較的小さなほころびを繕うのに最適な方法です。
<コの字とじのやり方>
1.ほつれて表に出てきている糸を、針を使って中に入れ込む
2.ほつれた箇所の手前の折山を3回縫い、糸端が抜けないようにする
3.ほつれた箇所の折山を針ですくい、そのすぐ横の折山をさらにすくう。ほつれ部分の端までこの工程を繰り返す
4.最後に、折山を一往復するように縫い止める
方法②.裏から当て布をする
衿布が広範囲にほつれてきている場合は、衿に当て布をして表裏の向きを反対にし、縫い付け直すのが
おすすめです。
ただし、裏返すと衿に入った文字やデザインは隠れてしまいますので、衿に町内会名や社名などが入って
いるはっぴにはこの方法は向きません。
<当て布のやり方>
1.縫い糸をリッパーでほどき、衿を身頃から取り外す
2.衿のほつれた部分に、同系色の布を表から縫い付ける
3.衿を裏返し、折山をきれいに作り直すイメージでアイロンがけをする
4.衿を裏返したまま身頃にマチ針で止め、まつり縫いをする
方法③.衿替えをする
衿は身頃から取り外せるため、ボロボロになって修復のしようがない場合には、新しい衿に取り換える
「衿替え」という方法があります。
衿替えについては、「はっぴの衿替えがしたい!自分で付けられる衿の縫い方」で詳しく解説しています
ので、合わせてご参照ください。
2.袖・裾の修理方法
袖・裾の擦り切れやほつれは、小さければ衿と同じくコの字とじで補修する方法があります。
しかし、損傷部分が大きい場合は次の2つの方法がおすすめです。
方法①.別布でくるむ
擦り切れ箇所が広いときは、別布でくるんで補修しましょう。他の布を縫い付けることで強度が増すので、
はっぴ全体としての寿命が延びるメリットがあります。
ただしこの方法は、別布のデザインによっては補修跡が目立つ、袖のときは両袖に均等に手を加えないと
アンバランスになってしまうという難点もありますので、メリットとデメリットを考慮して決めましょう。
<別布でくるむ方法>
1.別布を細長い形にカットし、長い方の端を両方1~2cmずつ内側に折ってアイロンがけする
2.別布で袖口まわりや裾の端をくるみ、片側ずつ縫い付ける
方法②.裏地をつける
広範囲の擦り切れやほつれは、折って裏に隠し、裏地でカバーする方法もあります。
袖や丈が多少短くなるというデメリットはありますが、動いたときに裏地がチラリと見えるのがオシャレ
な補修方法です。
<裏地のつけ方>
1.袖・裾の折り返し部分をほどく
2.ほつれ部分が裏に隠れるまで内側に多めに折り込み直し、アイロンがけをして落ち着かせる
3.ほつれ部分を隠すように裏地で覆い、マチ針で固定する
4.裏地を縫い付ける
3.かぎ裂きの修理方法
引っ掛けなどにより布が裂け、かぎ状の穴ができてしまう「かぎ裂き」の場合は、次のように修理します。
<かぎ裂きの補修方法>
1.はっぴを裏返し、穴を埋めるように破れた部分の布や糸をアイロンで整える
2.ふさいだ穴に裏面から補修布を当て、アイロンで熱圧着する
裏から補修布をつけてもかぎ裂きが目立つ場合は、上からステッチを施してもOKです。
あえて目立つ色の糸を使ってもアクセントとなって面白いでしょう。
4.まとめ
程度にもよりますが、はっぴの擦り切れやほつれは比較的手軽に補修可能です。
衿が擦り切れた場合には、範囲が限定的であればコの字とじで、広範囲におよぶときは裏から当て布を
するか思い切って衿替えをしましょう。
袖や裾の擦り切れ・ほつれには、対象箇所がごく小さければ衿同様にコの字とじで、それなりの大きさで
あれば別布をバイアステープのように使ってくるむか、裏地を縫い付けます。
衿や裾以外に、かぎ裂きができた場合はアイロンで接着する補修布が便利です。
はっぴは長く使えば風合いが増していくアイテムなので、必要に応じメンテナンスを施して、長く大事に使っていきましょう。
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