2021.02.18

基礎知識

作業着のにおいが気になる!その原因と対策を解説します

作業着のにおいが気になる!その原因と対策を解説します

気持ちを仕事モードに切り替えてくれる作業着から不快なにおいがしたら、テンションが急降下してしまい
ますよね。
多くの場合、作業着を着用する時間は決して短くはないだけに、イヤなにおいに悩まされるのは気が
滅入ってしまいます。
しかもこういったにおいは、染み付いてしまいなかなか消えないことも少なくないのが厄介です。
作業着が匂うのはなぜでしょうか?また、どうすればにおいを消せるのでしょうか。
今回は、作業着につくにおいの原因、においの気になる作業着の洗い方、作業着を臭わせないための
対策をご紹介します。

1.作業着につくにおいの原因

作業着につく不快なにおいの原因には、次のようなものが考えられます。

汗のにおい

汗というと夏場のイメージですが、汗は通年出ています。
夏場の体温調整目的の発汗とは異なり、涼しい秋や冷え込む冬にかく汗は、脇などの部分的な発汗がメイン
です。こういった汗は、アポクリン腺という種類の汗腺から出て、タンパク質や脂肪酸などを多く
含んでいるのが特徴です。
汗に含まれるこうした成分が皮膚上に存在する常在菌によって分解されたり酸化したりして、
いわゆる汗臭さが生じます。
ですから、厚着での作業や暖房の効いた屋内にいることが多い秋冬こそ、汗のにおいに要注意といえます。

生乾き臭

洗濯物が乾くまでに長時間かかる状況下で発生するのが生乾き臭です。生乾きといえば部屋干しが原因の
ように考えられますが、実はそれだけに限りません。
主に濡れている時間が長引いて雑菌が繁殖するのが原因ですので、外干ししてもなかなか乾かない冬場や、
洗い上がった洗濯物をうっかり干し忘れて洗濯槽に入れっぱなしにしてしまったときなどにも生乾き臭が
生じます。
生乾き臭は特有のにおいで、意外と強烈なので、汗のにおいと同様に用心したいものです。

洗濯槽のにおい移り

汚れた衣類を毎日のように洗っている洗濯機ですが、それ自体も汚れるということは忘れられがちです。
一見きれいに見える洗濯槽の裏には、洗濯物の繊維くずや皮脂汚れが蓄積しています。さらに、湿度が高い
環境下なので、カビの温床になりやすいのです。
こうした洗濯槽の汚れやカビを放置しておけば、その中で洗った洗濯に雑菌が移り、においも
移ってしまうでしょう。

2.においの気になる作業着の洗い方

においのついてしまった作業着はどのように洗えばよいのでしょうか。

漂白剤を使って洗濯する

洗濯機の自動コースに設定されている洗い時間は限られており、衣類表面の汚れは落とせても、繊維に
染みついたにおいを消すには不十分な場合があります。また、通常使う洗濯洗剤も、手強いにおいを消す
には力不足というケースが多いです。
そこでおすすめなのが漂白剤。いつもの手順で普通に洗濯する前に、桶などに張ったぬるま湯に規定量の
酸素系漂白剤を溶かし、半時間から1時間ほど浸け置きしましょう。
においの元となる雑菌が除菌されるので、異臭の発生を防げます。部屋干し専用洗剤として販売されている
洗剤の大半には酸素系漂白剤が配合されていることからも、その除菌効果がわかりますね。
なお、酸素系漂白剤は液体よりもパワフルな粉末がおすすめです。また、化学反応による漂白剤の
除菌効果は、冷たい水よりもぬるま湯に溶かしたほうが高くなりますので、少し面倒でもぬるま湯を使うと
効果抜群ですよ。

専用洗剤を使って洗濯する

油汚れ、泥汚れが避けられない作業もありますよね。そんな汚れから守ってくれた作業着には、
作業着専用洗剤を使うと良いでしょう。
食用油のにおいもなかなか落ちませんが、特に手強いのは機械油など工業用油の独特のにおいです。
普通に洗うだけではまず落ちませんし、一緒に洗う洗濯物へのにおい移りどころか、洗濯機が匂うように
なってしまうことさえあります。
原因となる繊維にこびりついた油を落とすには、溶かして落としやすくするために50℃以上のお湯を
使いながら、専用洗剤で洗濯してみてくださいね。

アイロンや乾燥機を使う

洗い終えた作業着を乾かす前に、濡れた状態でアイロンがけするのもおすすめです。中〜高温で、しっかり
と乾くまでかけていきます。
とはいえ、完全に乾くまでアイロンをかけるのは少し大変かもしれません。そんな場合には、
半乾きになるくらいまでアイロンをかけましょう。半乾き状態までであってもアイロンの熱でとりあえず
雑菌は死滅しますし、その後干したときの乾き方も断然早くなります。
コインランドリーの乾燥機を使うという方法もあります。家庭用の乾燥機に比べ、コインランドリーの
乾燥機はかなり高温になりますし、完全に乾くまでの時間もさほどかかりませんので、徹底除菌が可能です。

3.作業着をにおわせないための対策は?

においを取る洗い方を紹介しましたが、洗う手間を省くためにもにおいを予防する方法があれば嬉しい
ですよね。作業着を匂わせないための対策にはどういったものがあるでしょうか。

インナーを着用する

汗がにおいの原因となるなら、作業着に汗を吸わせないことが第一です。作業着の中に吸汗性の高い
インナーを着用して、そのインナーに汗を吸わせましょう。
多くの場合、厚手で丈夫な素材から作られている作業着よりも、薄手のインナーのほうがしっかりと
洗える上に、乾きも早いです。作業着よりも雑菌が繁殖しにくいので、汗をしっかり吸ってくれる
インナーを選んでみてください。

機能性素材を使用した作業着を選ぶ

におい自体を防ぐ防臭加工や、においの元となる汚れをつきにくくする防汚加工、部屋干ししても
雑菌が繁殖しにくい抗菌加工など、におい対策につながる加工の施された作業着も多く出回っています。
こうした機能性素材を用いた作業着を選べば、作業着のにおいに悩まされることは少なくなるはずです。

こまめに洗濯する

汚れと同じように、においも時間を置かずに洗濯することが大切です。こまめに洗濯すれば、雑菌の繁殖
する隙を与えずに済みます。汚れたり汗をかいたりしたらできるだけ早い段階で洗濯するようにしましょう。
手間に感じられるかもしれませんが、トータルで見るとそのほうが手間がかからないでしょう。

4.まとめ

作業着がにおう原因には、汗、生乾き、洗濯槽のにおい移りが考えられます。においがついてしまった
場合には、酸素系漂白剤を使った浸け置き、専用洗剤の使用、アイロンや乾燥機による高温乾燥を試して
みましょう。
また、においがつくのを予防できれば、手間が省けます。汗を吸ってくれるインナーを着用する、防臭加工
や抗菌加工などを施した機能性素材使用の作業着にする、こまめに洗濯するといった工夫で不快な
においを防ぎましょう。