2020.08.27
作り方
はっぴの仕立て~オリジナルはっぴ製作に役立つ基礎知識~
はっぴの仕立てには様々な方法がありますが、仕立て方法を把握している人は意外と多くありません。
あまり重視されない仕立てですが、満足度の高いオリジナルはっぴ製作をするためには、
きちんと理解して、自分の目的に合った仕立てを選ぶことが大切です。
今回は、オリジナルはっぴ製作に役立つ仕立ての基礎知識について詳しく見ていきましょう。
1.知っておきたい「仕立て」の意味
「仕立て」とは、裁縫を意味する言葉で、裁縫により仕上げたものやその方法・技術のことを指します。
仕立てについて知ることとオリジナルはっぴ製作とは無関係に感じられるものの、知っておくだけで
選択肢の幅や選ぶ楽しみが増えるため、各項目に分けて次の章から詳しく紹介していきます。
- 袖
- 脇部分(袖付)
- 背中
2.はっぴの袖部分の仕立て
はっぴの袖部分は仕立てだけでも4つの形状があり、その違いにより見た目や着心地などが
大きく異なります。
はっぴの印象を大きく決める袖部分の仕立てについて見ていきましょう。
通常仕立て
通常仕立ては、一般的に使用される形であり、肩部分から袖口にかけて筒状の袖がついており、
太さはほぼ同じです。袂(たもと:腕を広げたときに袖付けから垂れる部分)がなく、スッキリとした最も
「はっぴ」らしい形状といえるでしょう。
通常仕立ての中には、袖が邪魔にならないように、袖口に向かって細くなる鉄砲袖という形もあります。
珍しいものの、一部の職人やコミュニティでは親しまれており、機能性やスッキリとしたフォルムが特長のデザインです。
広袖・平袖
広袖・平袖は、通常仕立ての袖の脇付から布が垂れ下がった形です。振袖を短くしたものをイメージ
するとわかりやすいでしょう。
ダイナミックな動きで見栄えがするタイプで、舞踊やよさこい祭りなどでよく使用されています。
袖なし
袖なしは言葉通り、袖をすべて取り外した仕立てのことです。元気で活発な印象を与えるデザインで、
和太鼓演奏などでよく着用されています。袖がないため、腕を動かしやすく、夏の着用にもおすすめです。
飾り軸
飾り袖は、袖なしの肩部分に三角形の布が少しだけ付いたような形をしています。
袖なしと同様に腕を動かしやすく、アクティブなシーンで活躍する仕立てです。
肩部分の布が二の腕を隠してくれるため、女性にも人気があるデザインのひとつといえます。
3. はっぴの脇部分の仕立て
はっぴの脇部分の仕立ては、大きく分けると通常仕立てとR仕立ての2種類に分けられます。詳しく脇の仕立てについて見ていきましょう。
通常仕立て
通常仕立ては、一般的な脇部分の仕立てであり、袖が袖付(脇)にかけて直角に近い形でついているものを
言います。はっぴの製作を業者に依頼する場合、指定がなければこの通常仕立てで作成されるでしょう。
カメオカのオリジナルはっぴも、通常仕立てをご用意しています。
R仕立て
R仕立ては、通常仕立てとは違い、脇部分が直角ではなく丸まった形でついています。
袖と脇部分を体に合わせて仕立てるため、体に馴染みやすく、通常仕立てより耐久性が高いのが特徴です。
通常仕立ても強度は十分ですが、神輿を担ぐなど激しい動きを伴う祭りや演舞などでは、付け根が外れたり、
生地が引っ張られて着崩れたりする可能性があります。
ニーズに合わせて通常仕立てとR仕立てを使い分けましょう。
4.はっぴの背中部分の仕立て
はっぴの背中には「背割れ」が入った仕立てがあります。背割れとは、背中の中央部分にある
縫い目のことです。
昔は大きな生地を用意できない人が多く、複数の布をつなぎ合わせてはっぴを製作していたため、
背割れという仕立てが用いられていました。
現在では、ほとんど見かけなくなり、カメオカでも通常は背割れという仕立てをしておりません。
しかし、和の雰囲気を出したい、一本筋を通すという背割れの意味合いを大切にしたいという人は、
こだわって背割れを入れているようです。
5.オリジナルはっぴで人気な仕立て ロングはっぴ
伝統的なはっぴの仕立てではあまり見かけないものの、オリジナルはっぴの仕立てとして人気が高いのが
ロングはっぴです。
通常の仕立てより着丈が長いため、よさこいなどの演舞で着用すると裾の動きが綺麗で、
ダイナミックな躍動感を与えられます。
その他にも、アイドルのライブなどで応援用のユニフォームとして着用する人も多いようです。
着丈が長いため、通常のはっぴより価格が高くなってしまいますが、他の人と違ったアピールをしたい人にはおすすめの仕立てだといえます。
6.まとめ
裁縫を意味する「仕立て」には様々な方法や形状があり、はっぴの特徴的な仕立ては主に袖部分、脇部分、
背中部分の3つに分けられます。
オリジナルはっぴ製作では、その仕立てに注目し、動きやすさや見た目、実用性などによって
選ぶことができます。それぞれの特徴について理解し、満足のいくオリジナルはっぴ製作にしましょう。
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