2020.11.10

基礎知識

オリジナルブルゾンの裏地の役割と特徴

オリジナルブルゾンの裏地の役割と特徴

普段、あまり気にかけない衣服の裏地。
オリジナルブルゾン作りで裏地まで気にする方は少ないかもしれませんが、裏地には様々な役割があり、
こだわりたいポイントの1つでもあります。
そのため、裏地のありなしや生地にまでこだわって製作すると、オリジナルブルゾンの仕上がりの満足度が
変わってくるはずです。
今回は、オリジナルブルゾンの裏地の役割と生地ごとの特徴、裏地とデザインの関係性について解説します

 

1. そもそも裏地の役割は何?

裏地は、衣服や財布などの裏側についている布のことを指します。ジャケットやバッグではデザインとして
施されることもありますが、衣服の裏地においては基本的に機能性を重視してつけられます。

裏地のもつ役割は、主に次の7つです。

<裏地の役割>

  • 着脱をスムーズにする
  • シルエットを崩れにくくする
  • 汗等の汚れから生地を守る
  • 保温性を高める
  • 静電気を防ぐ
  • 透け感を防ぐ、または無くす
  • 表地を保護する

衣服の性能を高め、快適な着脱・着衣をサポートしてくれる裏地ですが、
意図的に裏地なしを選ぶ場合もあります。
例えば、裏地がない場合のメリットとして、涼しい・安価・軽いなどが挙げられます。
あえて透け感を楽しむといった着用方法も楽しめるでしょう。
自分が求めているオリジナルブルゾンをイメージし、裏地の有無を決めることをおすすめします。

2.オリジナルブルゾンに使われる裏地

オリジナルブルゾンに使用されている裏地には数種類あり、それぞれ機能性や肌触りも違います。
まずは、それらの違いを詳しく見ていきましょう。

メッシュ生地

メッシュ生地は、網目状になった生地のことで、無数に穴が空いており通気性が高いのが特徴です。
肌に接する面積が少なく、汗をかいても蒸れにくくなっています。
特に夏などの暑い時期に羽織るオリジナルブルゾンにおすすめの裏地だといえるでしょう。
伸縮性にも優れ、型崩れしにくいメリットもあり、ウインドブレーカーやスポーツベストなど、運動の
ときに着用するアウターでも選ばれやすい生地です。

トリコット生地

トリコット生地は糸をループさせるようにして織る生地のことで、伸縮性が高く、肌触りの良い素材です。
薄くて柔らかく、フィット感があるため、動きやすさを重視する場面で活躍します。
洗濯しても形状が崩れにくいため、スポーツ用や作業現場などでよく汗をかく方にとても相性のいい
素材です。

ボア生地

ボア生地は、特に冬の時期に活躍する肌触りのいい素材です。毛がカールしており、自分の熱を逃さない
ように留めてくれる効果があるため、保温性に優れ防寒ブルゾン適した生地です。
見た目のボリュームに対して、非常に軽いといった点も大きなメリットでしょう。
冬物アウターはどうしても重くなってしまいますが、裏地にボアを採用することで軽くなり、
肩こりも起こりにくくなります。

3.オリジナルブルゾンの裏地とデザインの関係性

ここまで、オリジナルブルゾンの裏地の機能性や役割を中心に解説してきましたが、見た目のデザインとは
どのような関係性があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

裏地にデザインは入れられない

一般的に、スーツのジャケットでは、裏地にイニシャルやネームなどを入れることがあります。
しかし、オリジナルブルゾンの場合は、デザインを入れられる製作会社が少なく、断られることが
ほとんどでしょう。
どうしても裏地にデザインを入れたい場合は、自宅で刺繍デザインを入れたり、ワッペンやフェルトを
縫い付けたりする方法もありますが、裏地がよれてしまうリスクがあるためあまりおすすめできません。
オリジナルブルゾンでさりげないオシャレを楽しみたい場合は、袖に小さくデザインを入れることを
おすすめします。

裏地のありなしで見た目が変わることも

裏地には透け感を防止する機能があります。そのため、薄手のブルゾンで裏地がない場合、中に着ている
洋服の色や柄が透けて見えてしまうことがあるため、注意が必要です。
例えば、薄手のオリジナルブルゾンで中に暗めの色のインナーを着ると、ジャンパーの色も暗くなって
しまいます。せっかく目立つデザインを施しても、デザインが目立たなくなる可能性もあるかもしれません。
あえて透け感を楽しみたいのであれば問題ありませんが、安さだけを重視せず、裏地にも気を配って制作を
進めましょう。

4. まとめ

オリジナルブルゾンの裏地には様々な種類があり、それぞれにメリットもあります。
イメージするブルゾンを思い浮かべた上で裏地にもこだわることが大切です。
そして、裏地を必要としない場合に注意してほしいのがブルゾン着用時の見た目です。
薄手のブルゾンでは裏地がない場合、インナーの透け感で製作時と大きくイメージが変わる恐れがあります。
機能性と見た目を考慮しながら、理想とするオリジナルブルゾンを製作しましょう。