2020.11.05

基礎知識

オリジナルスタッフジャンパーの「著作権」とは?罰則や取得・証明方法を解説

オリジナルスタッフジャンパーの「著作権」とは?罰則や取得・証明方法を解説

オリジナルスタッフジャンパーをデザインして販売する場合、「著作権」は無視することができない重要な
項目です。
著作権は、創作物を作成した著作者のための権利であり、自分のデザインを守ってくれるものですが、
漫画や美術、アニメなどの創作物に溢れる現代では、知らずに著作権侵害をしてしまうリスクも増えて
います。
そこで今回は、オリジナルスタッフジャンパーを作成・販売するときに知っておきたい著作権の基本と
注意点について詳しく解説します。

1.オリジナルスタッフジャンパーのデザインと販売時の注意点

オリジナル商品を販売する際に注意したいのが著作権です。これは、美術や芸術、音楽だけでなく、
小説や漫画などの創作物(著作物)全般を守る権利を指します。
著作権が守る対象は幅広く、例えば、以下の行為は全て権利侵害となります。

  • 他人が作ったものを許可なく使用する
  • 無断で作品の内容・題号を変更する
  • 無断で複製物を所有したり頒布したりする

時折、世間で話題になるヒット曲のパロディやアニメをオマージュした作品も、厳密には著作権侵害に
あたるので、オリジナルスタッフジャンパーの販売時には注意が必要です。
オリジナルスタッフジャンパーのデザインは、使用許可を取るか、完全にオリジナルで作成するように
しましょう。

2.著作権に触れるオリジナルジャンパーを販売した場合

デザインを作成した当事者だけでなく、著作権侵害にあたると知りながら販売した人は、どちらも
「無断で複製物を所有・頒布している」とみなされ、権利侵害行為に該当します。
権利侵害の罪に問われた場合、どのような罰則を受けるのでしょうか。簡単にご紹介していきます。

法律で著作権侵害の罰則を受ける

他人が作成したロゴ・キャラクターや写真などを利用してオリジナルジャンパーを製作するのは
著作権法違反です。仮に個人利用のみであっても、著作権法違反の恐れがあります。
もし、著作者から告訴された場合は「犯罪」となり、次のような民事請求・罰則が行われます。

<権利者からの民事上の請求>

  • 著作権侵害行為の差し止め請求
  • 損害賠償の請求
  • 不当に得た利益の返還請求
  • 名誉回復などの措置の請求

<罰則>

  • 10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金
  • 法人の場合は3億円以下の罰金

著作権侵害になると知らなかったら

世の中には多くのアイディアが溢れています。自分で作り出したデザインでも、類似品がすでに世間で
出回っているケースもあるでしょう。
仮に著作権侵害物だと知らずに販売した場合は、「善意者に係る譲渡権の特例」という規定があり、
罰則にあたらない可能性もあります。
しかし、知らなかったことに過失がある場合は上記特例に当てはまりません。外部のデザイナーに
デザインを依頼する場合は、著作権に関して細心の注意を払い、定められたライセンス期限の確認も
徹底することが重要です。

その他の肖像権・商標権にも注意が必要

著作権と似ているものに「肖像権」「商標権」があります。人物の写っている写真には肖像権、
ブランドや商品デザインには商標権があるため、この2つについても把握しておきましょう。
人物が写っている写真は、フリー素材であっても利用できない場合があります。使用許可について
確認を行い、不明の場合は使用しないことを心がけましょう。また、商標が類似した場合には、
商標権侵害に該当します。

3.違法が発覚したジャンパーの製造中止、費用請求される場合について

基本的にオリジナルスタッフジャンパーの製作会社は、著作権に触れる製作依頼を引き受けません。
また、オリジナルジャンパーの製作会社にデザインを逐一精査する義務はなく、責任を問われることは
少ないです。ただ、明らかに著作権に触れるデザインだと判断した場合は、依頼主に確認を取り、
断るケースも考えられます。その後、許可なく依頼しているとわかった場合は、直ちに製作を中止し、
それまでにかかった費用を依頼主に請求することが一般的です。

4.オリジナルスタッフジャンパーの著作権の取得方法と証明方法

オリジナルスタッフジャンパーのデザインの著作権を証明するには、以下の3つの方法があります。

  • 任意で登録できる著作権登録制度
  • 創作を証明できる資料の保管(制作過程の資料や取材記録など)
  • 撮影したことがわかる資料の保管(別角度の写真、加工前の写真など)

著作権は特許とは違い、申請の必要は特にありません。
しかし、類似品が世に出た場合には証明することが非常に難しいのが実情です。
著作権登録制度などで自分の権利を主張できるものを揃えておくと安心でしょう。

5.まとめ

オリジナルジャンパーを製作・販売する場合は、著作権や肖像権に関して注意する必要があります。
著作権侵害とみなされた場合は、10年以下の懲役や3億円以下の罰金など重い罰則を受ける可能性があり、
デザイン作成や販売には最新の注意を払わなければなりません。
完全オリジナルのジャンパーの著作権を証明するために、著作権登録制度に利用したり、
証明書類を大切に保管したりしておくと安心です。