2020.10.27
基礎知識
オリジナルワッペンをデザインするときのポイント~種類・サイズ・色数・注意点~
服や帽子、カバンなどにつけて楽しめるオリジナルワッペン。つけたアイテムの印象をガラッと変えること
ができ、小さくとも存在感のあるファッショングッズといえるでしょう。
そんなワッペンをオリジナルで作ろうとすると、どんなデザインがいいのか、思い描いているデザインは
どうやったら再現できるのか気になりますよね。
そこで今回は、オリジナルワッペンをデザインするときのポイントと注意点について詳しく解説します。
コーディネートのアクセントや、制服の名札など幅広い用途を持つワッペンを、この機会に作ってみては
いかがでしょうか。
1.オリジナルワッペンのデザインは「型・色・刺繍の再現度」が重要
- ワッペンの型の種類
- デザインの色の決め方
- 刺繍デザインの再現性
オリジナルワッペンは、既定のサイズに収まれば自由にデザインできることが魅力ですが、ネームワッペン
(名前を刺繍で書いたもの)のように、よく使用されるタイプを型としてメニューに記載している
業者も少なくありません。
また、刺繍でデザインを入れる場合は、使用できる色の数に制限があり、土台の色によっても
デザインの表情が変わってきます。また、細かなデザインの再現性には限界があり、複雑な柄や
グラデーションを入れることは難しくなってしまいます。
次章から、上記3点について詳しく見ていきますので、スムーズにオリジナルワッペンのデザインを製作するために、ポイントを押さえておきましょう。
2.オリジナルワッペンには4つの基本型がある
製作会社によって多少異なりますが、オリジナルワッペンには主に4つの型があります。それぞれの特徴を
踏まえておきましょう。
オリジナル刺繍ワッペン
オリジナル刺繍ワッペンは、土台以外の全てが刺繍でデザインされたワッペンです。
サイズやデザイン、形状や文字のフォントも全てオリジナルでデザインできます。
オリジナリティを演出しながらも、刺繍ならではの高級感ある仕上がりになるでしょう。
ただし、型代が別途必要になる、使う糸の種類が増えると別途費用が発生する(一般的には4色目から)、
最大・最小サイズが決まっている(カメオカの場合は対応サイズが広いですが、
最小20mm×30mm、最大350mm×250mmとなっています)、などいくつか注意が必要です。
ネーム刺繍ワッペン
ネーム刺繍ワッペンは、既定のフォントを使用して社名や個人名などの文字を施すワッペンです。
あらかじめ決められたサイズ・形状での作成となるため、型代はかかりません。
また、糸の数も限られているため、制限が多い分リーズナブルに仕上げられます。
ロゴ+ネームワッペン
ロゴ+ネームワッペンは、ネーム刺繍ワッペンに会社のロゴなどを追加したワッペンです。
ネーム刺繍の料金に加え、ロゴ部分の型代がかかります。
ネーム刺繍ワッペンのみで仕上げるより、ロゴが入ることで個性的なデザインの表現が可能です。
また、決められたサイズで製作するため、オリジナル刺繍ワッペンより安価に仕上げられます。
転写プリントワッペン
グラデーションや複雑なイラスト、写真を表現したい場合は、刺繡ワッペンより転写プリントワッペンが
おすすめです。刺繍では再現できない複雑な絵柄も再現でき、規定内ではあるもののサイズ展開も
豊富にあります。
しかし、刺繍ワッペンと比較すると、立体感や高級感の演出は難しく、金・銀・蛍光色は使用できません。
また、型代はかかりませんが、データ入稿料が別途かかる点には注意しましょう。
3.刺繍ワッペンの色は「土台・糸・枠」で決まる
転写プリントワッペンであればイラストがそのまま印刷されますが、刺繍ワッペンの場合は
土台になる生地、絵柄を作る糸、ワッペンの枠、この3つを決める必要があります。
生地、糸、枠それぞれで選ぶときのポイントを見ていきましょう。
土台になる生地
ワッペンのベースとなる土台は、主に4種類から選びます。素材の特徴によって強度や光沢、刺繍の
適正などの違いがあるため、希望するデザインに合わせた土台を選びましょう。
①.アーバンツイル
ワッペンで定番の土台ともいえるアーバンツイルは、ポリエステル100%のものが多く、強度に優れており
管理も簡単です。表面に凸凹がないため、細かい文字やデザインも表現しやすく、
再現性の高い生地といえます。
オリジナル刺繍ワッペン、ネーム刺繍ワッペン、ロゴ+ネーム刺繍ワッペンに適している土台です。
②.エンブロンクロス
一見すると、最初から刺繍してあるように見えるエンブロンクロスは、光沢感があり、上品さや高級感が
あります。ナイロン100%が多く、熱に弱いためアイロン時には注意が必要です。
オリジナル刺繍ワッペン、ネーム刺繍ワッペンに向いています。
③.フェルト素材
フェルト素材は、柔らかくやさしい風合いになり、衣服にも馴染みやすいのが特徴です。
主にオリジナル刺繍ワッペンに適しています。ポリエステル100%であるものの、
アーバンツイルとは全く違う素材感です。
④.反射素材
夜間作業を行う制服などにオススメな反射素材は、防犯や事故の防止に役立ちます。土台の色が
グレーのみと限られているため、文字だけのネーミングタグに使用されることが多い生地です。
絵柄の糸色
刺繍デザインに使用できる糸の色は、上限が決まっていることが一般的です。多くの色を使用する可能性が
ある場合は、事前に業者に確認しておくと安心です。また、糸の種類を増やすと追加料金が必要と
なることが多いため、金額についても把握しておくようにしましょう。
刺繍デザインのカラーは約60色から選択可能です。豊富なカラー展開により、プリント加工では表現
できない色や艶感を演出できます。
ワッペンの枠の色
ワッペン自体を囲む枠の刺繍糸は、転写プリントワッペンを含むすべてのワッペンで必要です。
デザインに合う色を選ぶことが前提ですが、縁をヒートカット加工する場合、縁かがりの隙間から
土台が透ける場合もあるので、土台色が目立たない色を選ぶと、見た目が美しいデザインの
ワッペンに仕上がります。
4.刺繍ワッペンで再現できるデザインのサイズ目安
しっかりした質感と上品さが魅力な刺繍ワッペンですが、刺繍ではデザインの再現性に限りがあります。
あまりにも小さな文字や複雑なデザインの場合は、イメージ通りの再現ができない場合があるため、
注意が必要です。
刺繍で再現できるサイズの目安と、解決方法についてみていきましょう。
刺繍文字の限界サイズは「高さ4~5mm・線の太さ0.7mm」
文字をつぶさずに刺繍できる限界の最小サイズは「高さ4~5mm・線の太さ0.7mm」です。
一般的には、これ以上のサイズで対応する業者が多くなっています。また、刺繍糸の針は
横に振って線を再現していくため、ふり幅として0.7mm以上の線の太さも必要となります。
基準サイズ以下のデザインはステッチで対応
どうしても「高さ4~5mm・線の太さ0.7mm」以下のデザインをワッペンに入れたい場合は、
ステッチ縫いである程度イメージに近いデザインを再現できます。
ステッチ縫いは、針を横に振らず、直線に縫う加工方法です。破線のような見た目になりますが、
糸を2~3本にすることでボリューム感も出せます。
複雑なデザインのワッペンを刺繍で製作するのは難しいものですが、一部ステッチ表現にするなどの対応で
イメージに近づけることができます。スケジュールに余裕を持って、一度業者に相談すると良いでしょう。
5.オリジナルワッペンをデザインするときの注意点
オリジナルワッペンを作成するときに気をつけたいのが「著作権・肖像権」です。
すべての創作物には著作権があり、個人には肖像権があります。これらを侵害する行為は犯罪に当たる
ということは念頭に置いておきましょう。
例えば、好きなブランドやアニメのキャラクターなどをワッペンにデザイン加工することは個人使用で
あっても禁止行為になります。
注文時に発覚した場合は、業者によってキャンセルされてしまうため注意が必要です。
6.まとめ
オリジナルワッペンをデザインする場合、工程の知識を知っておくとスムーズに作成できます。
加工方法や生地によってデザインの雰囲気も違うものとなるでしょう。
デザインの最小規定サイズは「高さ4~5mm・線の太さ0.7mm」です。仮にそれ以下のサイズであれば、
ステッチ縫いでも再現できますが、業者と相談する必要があるため余裕をもってスケジュールを組む必要があります。
また、オリジナルワッペンの製作では、著作権・肖像権を侵害しないことも重要です。
業者側にも迷惑がかかってしまうため、注文する前に今一度確認しましょう。
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