2021.03.16
基礎知識
スクラブの色分けはどうする?色ごとの効果や色分け方法とは
スクラブはカラーバリエーションが豊富で選ぶのが楽しい反面、何色を選べばいいのか迷ってしまうこと
もあるのではないでしょうか。
同じ職場内で色分けをするケースでは、余計に悩んでしまいますよね。
そこで今回は、色ごとの持つ効果とスクラブを色分けする場合の例についてご紹介します。
1.増えてきているスクラブの色分け。その理由は?
近年、医療現場ではチームごとにスクラブを色分けするケースが増えてきています。多くの現場で色分け
が行われるようになってきている理由は何なのでしょうか?
業務効率アップにつながる
スタッフの属性ごとにスクラブの色を変えれば、パッと見てすぐに判別できるため、業務効率の向上に
つながります。
スタッフ同士で人を探すときだけでなく、患者が特定の科の看護師を探す場合などにも役立つので
便利です。
色の持つ心理的効果を取り入れられる
色は人を元気にしたり、リラックスさせたりと人の感情を動かす力を持っています。それぞれのカラーが
持つ心理的効果をうまく活用できれば、不安な気持ちになっている患者の緊張をほぐし、安心感や落ち
着きを与えられるはずです。
次章ではそれぞれの色に着目して、期待できる心理的効果について紹介していきます。
2.それぞれの色の持つ心理的効果や特徴
それでは早速、色が及ぼす心理的効果や特徴について見ていきましょう。
ブルー〜集中力を高める〜
ブルーは、冷静さを喚起し集中力を高める働きのある色です。そのため、落ち着いたとっさの判断が必要
になる救急医療現場でよく採用されています。
また、チーム医療においては、麻酔科医に割り当てられるケースが目立つようです。
ネイビー〜信頼感を与える〜
青色よりも少し暗いネイビーは、見る人に信頼感を抱かせてくれます。不安な気持ちを抱える患者やその
家族と接するときも知的で誠実な印象を与えられるので、広く医療従事者に重宝されているカラーです。
また、ドラマの登場人物がネイビーのスクラブを着ていたことなどもあり、「カッコよく見える」と
近年人気が高まりつつあります。
グリーン〜気持ちを落ち着かせる〜
自然をイメージさせるグリーンは、安らぎを与え気持ちを落ち着かせる効果があります。緊張している
患者の気持ちを穏やかにし、リラックスしてもらえるでしょう。
一口にグリーンといっても、淡いグリーンや明るいエメラルドグリーンなど選択肢が多いので選ぶ楽しみ
があるのも嬉しいポイントです。
なお、補色残像(赤い血を見続けると補色である青緑色の残像がちらつく現象)の対策として、手術着
には濃いめで落ち着いたグリーンを採用するケースも多くなっています。
ピンク〜安らぎと癒しをもたらす〜
ピンクは、心に安らぎと癒しをもたらす色です。小さな子どもが多い小児科や頑張る患者をサポートする
リハビリ科、介護の現場などで着用するスクラブに適しているといえるでしょう。
ただし、淡いピンク色はナース服の定番色として定着しているため、女性用スクラブに採用される
ケースが多いようです。
ビタミンカラー〜周囲を明るく元気な気持ちに〜
オレンジや黄色などの鮮やかなビタミンカラーには、周囲を明るく元気な気持ちにさせる効果があると
されています。
見る人をポジティブな気持ちにしてくれるものの、鮮やかな色合いは着用シーンが限定されることもあり、
小児科や歯科などごく一部で取り入れられています。
とはいっても、ビタミンカラーは希望を与えてくれる素敵な色です。くすんだ色味のものや淡い色合い
のものなど、蛍光色以外を選ぶと導入しやすくなるでしょう。
ワインレッド〜赤と青のいいとこ取り〜
ワインレッドは、情熱とバイタリティを呼び起こす赤と、誠実さを感じさせる青の2つの効果が
期待できるとされています。
落ち着いた色味なので年齢、性別問わず着用しやすく、近年急速に人気が高まってきているスクラブの
色です。
3.スクラブを使った色分けの例
色の持つ効果は絶大ですが、実際にどのように色分けを実施すればいいのでしょうか?
色分けの4つのパターンをご紹介します。
診療科別に色分け
最もよく見られるのは、内科は緑、外科はブルー、小児科はピンクといったように診療科別にスクラブを
色分けするケースです。
同じ診療科のスタッフ間に一体感が生まれやすい上に、患者にとっても自分の受診する科の関係者を
識別しやすいというメリットがあります。
職種別に色分け
ドクターはダークネイビー、看護師はワインレッド、臨床工学技士や薬剤師はブルーといったように
職種別にスクラブを色分けする例もあります。
特に患者が医師や看護師を探すときにすぐ分かるので、来院者にとって嬉しい色分けなのではないで
しょうか。
日勤と夜勤とで色分け
働き方改革の一環で、日勤と夜勤とでスクラブを色分けする病院も増えています。
日勤スタッフは白、夜勤スタッフはネイビーなどと色分けすることにより、定時終了意識が高まる効果が
見られ、実際に残業が激減した例もあるようです。
勤務年数別に色分け
勤務年数や経験年数が長くなるほどスクラブの色を濃くしていく、というシステムを導入している例も
見られます。
診療科別、職種別に色分けをして、さらに勤務年数別に色の濃度を変えるというのはひと手間かかる
方法ですが、スキルや経験値がひと目で分かるため、誰を重点的にサポートすればよいか、誰に指導を
仰げばよいかが明確になるのが嬉しいポイントです。スタッフのモチベーション向上にもつながる
でしょう。
4.まとめ
スクラブの色分けは、業務効率アップが見込めるだけでなく、色の持つ心理的効果も取り入れられると
して、多くの医療現場で導入され始めています。
色が喚起させるイメージとしては、次のようになります。
- ブルー 集中力を高める
- ネイビー 信頼感を与える
- グリーン 気持ちを落ち着かせる
- ピンク 安らぎと癒しをもたらす
- ビタミンカラー 周囲を明るく元気な気持ちにする
- ワインレッド 誠実さとエネルギッシュさが両立する色
色分けのルールには、診療科別、職種別、勤務時間帯別、勤務年数別などさまざまなものが考えられ
ます。現場の抱えている課題や改善したい現状にアプローチできる方法を見つけてみましょう。
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