2021.03.04

基礎知識

バリエーション豊富!オリジナルスクラブの生地選び

バリエーション豊富!オリジナルスクラブの生地選び

オリジナルスクラブを作る際、ベースとなるスクラブ本体を選ぼうとして、あまりの生地の多さに驚いて
しまう方もいるようです。
実際、スクラブに用いられる素材・生地には多くの種類があり、予備知識がないと生地選びだけでも
時間がかかってしまうでしょう。
そこで今回は、オリジナルスクラブの生地にはどういったものがあるか、代表的な生地のそれぞれの特徴
医療現場や介護現場におすすめの機能性生地をご紹介します。

1.オリジナルスクラブの素材は「ポリエステル」か「綿ポリ混紡」が主流

オリジナルスクラブに用いられる素材の代表格が、ポリエステルやポリエステルと綿の混紡素材です。
スクラブは、ハードな環境下で着用される場合が多く、清潔さがとても重視されます。ポリエステルは
丈夫でシワが付きにくく乾きが早いので、頻繁に洗濯されるスクラブの素材として適していると
いえるでしょう。
しかし、静電気が起きやすくコシの強い特徴もあるため、綿素材とミックスして着心地の良さをプラス
した綿ポリ混紡素材も好まれています。
他にも、レーヨンとポリエステルの混紡も出てきており、レーヨン独特のとろみや落ち感が出る
ことから、オシャレなスクラブによく使われます。

2.オリジナルスクラブに用いられる多彩な生地

素材を織って布状にしたものが「生地」ですが、オリジナルスクラブに用いられる生地も多種多様です。
ここでは、織り方をベースに3つの生地をご紹介します。

平織り生地

たて糸とよこ糸を交互に交差させて織った平織り生地は、もっとも基本的な生地といえます。
平織り生地のバリエーションには、目の詰んだポプリン、密に織り込まれた厚手で丈夫なキャンバスなど
があります。霜降りの表情が味わい深いシャンブレー調の生地も人気です。

ニット生地

伸縮性があり柔らかいニット生地は、体にフィットしてくれる動きやすさが特徴的です。
肌着やTシャツにもよく用いられる着心地の良さがあり、保温性に優れているため寒い時期に着用する
スクラブに向いています。最も一般的な天竺や凹凸感のあるワッフルニット、裏面に太い糸を用いる
インレーなどバリエーションが豊富です。

ツイル(綾織り生地)

しなやかさと光沢感があり、浮き出た綾目(斜め方向の畝)が特徴のツイル(綾織り生地)も
スクラブに広く用いられています。
ツイルのバリエーションには、スーツや制服などにもよく使われるサージや、コシのあるギャバジンなど
があります。

3.医療現場のオリジナルスクラブ用生地におすすめの機能性

オリジナルスクラブ用の生地には、機能性を持たせたものも多く見られます。スクラブで重視すべき機能性は何か、見ていきましょう。

制菌・抗ウイルス加工

繊維上の菌の増殖を抑制する制菌加工や、ウイルスの数を減少させる抗ウイルス加工が施された生地は、
医療現場で着用されるスクラブ向きの機能性といえます。
常に感染リスクにさらされている医療従事者の不安軽減にも役立つでしょう。
なお、制菌加工はJTEC(一般社団法人線維評価技術協議会)の認証制度に基づくもので、認証製品に表示
できる制菌加工SEKマークにはオレンジと赤の2種類がありますが、より高度で強力なのは赤のマークです。

出展:日本化学繊維協会

赤マークが表示されている生地は、人体に悪影響を及ぼす肺炎桿菌や黄色ブドウ球菌の増殖を抑制してくれます。

色落ち耐性

新型コロナウイルスやSARSなどの感染症防止対策として、厚生労働省が推奨している次亜塩素酸ナトリ
ウムなどの塩素系漂白剤による消毒ですが、そういった漂白剤を使用してスクラブを洗濯すると色落ち
につながってしまう恐れがあります。
しかし、そうした消毒に対する色落ち耐性を持った生地が登場しています。
糸を染色するのでなく、繊維の段階で顔料を練り込んで作っているため、次亜塩素酸ナトリウム消毒でも
色落ちしません。洗濯後の水もきれいなままなので、環境負荷を減らせるのも嬉しいポイントです。

形態安定加工

形態安定加工が施された生地であれば、医療機関にふさわしいパリッとした清潔感ある装いを保てます。
一般にポリエステルの割合が高い生地やツイルは比較的シワがつきにくいといえますが、それでも長時間
着用していれば、やはりヨレてきます。
形態安定加工生地を用いることで、シワの目立たないきれいな状態が長続きするでしょう。

4.介護現場のオリジナルスクラブ用生地におすすめの機能性

今まで医療現場用のスクラブに適した機能性をご紹介してきましたが、スクラブは介護現場でも制服とし
てよく使用されますよね。
最後に、介護現場で着用するスクラブで重視したい機能性をご紹介します。

ストレッチ性

寝返りや起き上がり、入浴などの介助で身体を大きく動かし、時には無理な動作や姿勢になる介護の現場
で着用するスクラブでは、動きやすさがもっとも重要です。
伸縮性がなければ肩まわりや背中がつっぱり、介護に制限が出てしまいます。先ほどご紹介したニット
生地など、ストレッチ性の高い生地を選んで業務効率をアップしましょう。

防臭加工

介護現場では、歩行介助時や車椅子への移乗介助時など、身体を相手に密着させる機会も少なく
ありません。
力仕事でもあるので汗もかいてしまいますが、防臭加工された生地であれば介助中に臭いを心配する
必要もなくなります。

5.まとめ

オリジナルスクラブに用いられる生地には、さまざまな種類があります。主流はポリエステルや綿ポリ
混紡ですが、とろみのあるレーヨン混紡なども出てきており、様々な風合いを楽しめます。
しかし、医療や介護の現場で着用されるスクラブは、特殊な環境下であることも多いので、制菌・
抗ウイルス加工、形態安定加工、防臭加工などの機能性を持たせた生地を選ぶことも大切です。
見た目のイメージやメンテナンス性、丈夫さだけでなく、動きやすさや機能にもこだわって最適な生地
を選びたいですね。