2021.01.19
基礎知識
失敗しない作業着の選び方は?4つの視点でピッタリな作業着を選ぼう
さまざまなニーズに応じた数多くの作業着が存在するため、いざ作業服を選ぼうとしてもその種類の多さに
途方に暮れてしまうこともあるのではないでしょうか。
作業着の選び方を失敗すれば、作業効率に影響するばかりか、職種によっては安全性をも
損ないかねません。
今回は、そんなリスクを避けるために「用途・シーズン・形・色」の4つの視点から、
最適な作業着の選び方を考えてみます。
1.作業着の選び方
最近の作業服はバリエーションが非常に豊かなので、基本的な選び方を押さえておかないと失敗してしまう
かもしれません。
一般的に、作業着は着る用途やシーズンを決め、最後に形と色を選びます。この記事ではその4つの流れに
沿って選び方の基本ステップをご紹介していきます。
2. まずは用途を決める【ステップ1】
現場の用途によって作業着に求められる機能性は異なります。
建設工事
夜間や暗い場所で作業をすることもある建設工事現場では、反射材がついている作業着だと安心です。
そして、動きの激しい作業が多いので、軽くてストレッチ性があるものを選びましょう。
また、泥や塗料汚れによる頻繁な洗濯や資材との摩擦も想定されるので、耐久性が高い素材を選ぶことも重要です。
製造
引火性が高い材料を扱う職種では、作業着から発生する静電気が火災につながりかねません。また、
精密機器の製造現場でもホコリを呼ぶ静電気は禁物なので、こういった現場の作業着には
帯電防止機能が必須です。
そして、溶接や鉄工、研磨といった火の粉が飛ぶような現場では、耐熱性の点から綿100%素材や
難燃素材を使用している作業着を選びましょう。
清掃・ビルメンテナンス
清掃やビルメンテナンスの現場では汚れの付着は避けられません。汚れがつきにくく、ついた汚れも
落ちやすい防汚加工が施されているものがおすすめです。
あわせて防臭加工も施されている作業着だと、より快適に着用できます。
調理
食品工場や調理師などが着用する作業着は、清潔を保つ撥水加工や抗菌・制菌加工が施されているものが
おすすめです。
異物混入対策として、上着にポケットがないものや袖口がリブ仕様のものなど、デザイン面の機能にも注目しましょう。
3. 着るシーズンを考える【ステップ2】
屋外や倉庫作業など、季節による気温変化が激しい場所ではシーズンごとに作業着を分けることが大切です。
春夏用
春から夏にかけての暑い時期は、脇や背中部分がメッシュ素材になっているなど、風通しがよく、
吸汗速乾素材や接触冷感素材を使ったものが、熱中症対策としておすすめです。
また、夏場の半袖ブルゾンの作業着は、炎天下の作業では直射日光が当たるため、かえって危険な場合も
あります。ブルゾンよりも薄地でかつ直射日光を遮る長袖シャツなどを選択するとよいでしょう。
秋冬用
防寒対策として中に着込むことが多い冬場は、ストレッチ素材を使った動きやすい設計の作業着がおすすめです。
重ね着をすることで腕の可動域が狭まることが考えられるので、作業内容によってはあえてワンサイズ上のものを選ぶのも手です。
4. 作業内容に適した形を選ぶ【ステップ3】
作業着には業種のニーズにあわせて様々な形状があり、作業内容に適した形を選ぶことで、作業効率アップも期待できます。
ブルゾン
作業着の定番といえるのがブルゾンです。製造現場からオフィスまでユニフォームとして使用されることも多く、汎用性の高さが特徴です。
着脱が簡単なのが最大のメリットであり、サイズが多少大きくても問題なく着ることができるため、短期アルバイトへの貸し出しにも重宝されています。
シャツ
一見ワイシャツのように見えるシャツタイプの作業着ですが、通常のワイシャツよりも耐久性が高く、
屋外作業のスタッフが直射日光から身を守る作業服としてよく利用されています。
シャツインすることでやや蒸れやすいものの、薄手で上に好きなアウターを羽織ることもできるため、
スタイリッシュな着こなしにこだわりたい方におすすめです。
スモック
女性が多い軽作業現場でよく着用されるスモックは、中の服を汚さないことを目的とした作業着です。
基本的にレディースのみの展開となっています。
ブルゾンなどと比べて耐久性が低いため、大きな危険がなく、負荷が少ないピッキングなどの現場に向いています。
パンツ
作業着として作られているパンツには、ワークパンツ、カーゴパンツ、シャーリングパンツの3種類が
あります。
ワークパンツは、その名の通り作業用にはくために作られたパンツで、履きやすく、丈夫で洗濯にも強い
生地が使われている定番のアイテムです。
近年ではストレッチ素材の使用が一般的となり、履き心地のいいものが人気です。
カーゴパンツは、分厚い生地と収納性の高い大きなポケットが沢山ついているため、工具などをしまう
のに便利な作りです。
シャーリングパンツは、ウエストにゴムを使っているため動きやすいのが特徴。特に活発な動きをする
作業現場には、腰回りにゆとりが出るタックを取ったタイプが適しています。
ツナギ
ツナギは、上下がつながった一体型の作業着です。土や砂、ホコリなどがウエスト部分から入り込む心配が
なく、動作によって着装が乱れることもありません。
そのため、腹這いでの移動を伴う整備作業や、機械への衣服の巻き込みが考えられる現場などで着用するのに向いています。
5. 最後に色を決める【ステップ4】
作業着の色は一見、機能性がないようにも思えますが、作業内容によっては特定の色が合理的な場合もあります。
メジャーな青色
青色は作業着の定番色です。主に19世紀のアメリカで起こったゴールドラッシュで青いデニム生地が採掘者
に好んで使われた名残といわれています。
濃い青色ほど汚れが目立たず、定番色は着る人の好みが分かれにくいというメリットもあります。
作業着の色決めで迷ったら、ブルーを選ぶと間違いないでしょう。
目に優しいグレー
作業者の気を散らさない淡い色合いで、汚れも目立ちにくいのが、グレーの作業着です。
グレーの作業着もファッショナブルというより定番に近い色味のため、作業者の年齢層が高い職場や
着慣れたデザインが好まれる職場で人気があります。
清潔感がある白
食品工場や調理現場、研究所など、衛生管理の徹底が必要な場所では、作業着の交換や洗濯のタイミングを
見逃さないようにする目的で、白を選ぶ企業も多く見受けられます。
一般的な作業着では汚れは目立たせないことが通例ですが、「白い作業着=衛生管理が求められる職種」
という判別や意識改善としても有効です。
ビビットカラー
オレンジやピンク、イエローなど明るく鮮やかな色の作業着は、視界の悪い場所での作業員の安全確保に
役立つため、夜間作業や高所、悪天候の現場などを中心に活躍しています。
また、企業イメージをアピールするために、人目につく作業服はビビットなコーポレートカラーにすると
いうこともあります。
作業員を目立たせたい場合は原色に近いビビットカラーを選びましょう。
6. まとめ
作業着には様々な形や機能がありますが、本当に必要な作業服は作業内容や目的などによって変わって
きます。
自社に適切なものを選ぶには、用途・シーズン・形・色の4つのポイントを踏まえて、作業現場の動き
やすさや快適性、必要な機能、作業着を着る理由などから検討するとよいでしょう。
関連記事
-
この記事が気に入ったら
いいねしよう!最新記事をお届けします。